22日(土)、中京競馬場で行われた若駒S(L)では、3番人気で池添謙一騎手が騎乗したリューベック(牡3、栗東・須貝尚介厩舎)が優勝した。勝ち時計は、2分2秒2。
2019年のセレクトセールにて5億円の値が付いた超高額馬リアドの2戦目という事もあり、注目度が高かった一戦。主戦の福永祐一騎手からの代打となった武豊騎手が、競馬ファンの期待を背負い単勝1.6倍という圧倒的1番人気に推されゲートが開いた。
スタートをポンと出て、1枠1番という事もあり、そのままハナを切る展開に。向こう正面手前で、行きたがる素振りをみせたリューベックにハナを譲り、そのまま2番手に下げた武豊騎手。しかし、ここが勝負の分かれ目だった。
グランディアに騎乗していた川田将雅騎手とメイショウラナキラに騎乗していた松山 弘平騎手がそれを見るや、すぐさまリアドを外から囲う。スローペースのなか、武豊騎手とリアドは、リューベックの後ろの位置で最後の直線を迎える。
外に進路を切り替えたい武豊騎手だったが、囲まれているため動くに動けない。ラスト200m付近で内に進路が空いて懸命に追い出すも、逃げ切りを図るリューベックを捕らえ切れず、2着と敗れた。皐月賞(G1)に向けて賞金加算とはならなかった。
レース後、武豊騎手は「結果的に、行き切った方が良かったかもしれません」とコメント。断然人気馬の宿命とばかりに徹底マークを受けたが、あのままハナを譲らなければ、結果は違っていた可能性もあっただろう。
ペースが緩いとみるや、道中でハナを奪った池添騎手のペースを読み切った采配も見事だった。レース後には「指示としては我慢して乗って欲しいというリクエストだった」と明かしたが、結果的に途中で判断を切り替えたことがこの勝利につながった。
リューベックの全姉ディアドラは、秋華賞(G1)や海外G1を勝利した名牝だ。良績はいずれも距離2000m前後の中距離だっただけに、リューベックも新馬戦から中距離を使われ続けている。前走の札幌2歳S(G3)では、勝ち馬ジオグリフに完敗したが、ここで巻き返しに成功。距離的にも適性がありそうな皐月賞へ弾みがつく内容だった。
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